32型シアター

32型のテレビで見た映画とその周辺のブログです。

ラ・ラ・ランド/La La Land

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作品紹介

 ラ・ラ・ランド/La La Land
 2016年 アメリ
 時間:128分
 ジャンル:コメディ、ドラマ、ミュージック IMDbより 

 

 監督:デミアン・チャゼル
 セバスチャン(セブ)・ワイルダーライアン・ゴズリング
 ミア・ドーラン:エマ・ストーン

あらすじ

何度もオーディションに落ちてすっかりへこんでいた女優志望の卵ミア(エマ・ストーン)は、ピアノの音色に導かれるようにジャズバーに入る。そこでピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会うが、そのいきさつは最悪なものだった。ある日、ミアはプールサイドで不機嫌そうに1980年代のポップスを演奏をするセバスチャンと再会し……。

                             シネマトゥデイ

日本と世界の評価

評価

 Yahoo!映画:4.09 評価22189件   2019/12/1
 IMDb8.0(評価5換算:3.96) 評価454866件 2019/12/1
 Rotten Tomatoes 2019/12/1
  TOMATOMETER:91% 評価438件
  AUDIENCE SCORE:81% Average Rating:4.07 評価70540件
 Metascore:93  

 Yahoo!映画とIMDbとRotten Tomatoes:AUDIENCE SCORE

 単純平均評価:4.04

評価まとめ

 良い評価:映像が綺麗、泣ける、歌もダンスも良い、感動

 悪い評価:ミュージカルもストーリーも期待外れ、つまらない、合わない

評価は高いですね。アカデミー賞を争ったムーンライトより評価は高いです。日本評価とIMDb評価が特にムーンライトより良かったですね。女性評価の方が高いかと思ったのですが男性評価の方がIMDbで0.1高かったです。あとは若いほど評価が高かったですね。

感想

お久しぶりです。少し忙しかったのと見る映画があまりにつまらないのが続いたので久しぶりになりました。別に満を持してとかじゃないので気楽に読んでください。
今回は話題のラ・ラ・ランドアカデミー賞をムーンライトと争って敗れた作品です。ムーンライトを見たときラ・ラ・ランドの方が絶対に良かったという評価が高かったので楽しみにしていました。


評価もラ・ラ・ランドの方が高いですね。アカデミー賞では監督賞、主演女優賞等6部門受賞と史上最多14ノミネートと絶賛ですね。
物語はライアンゴズリング演じるセブとエマストーン演じるミアの二人で進んでいきます。他にも出演者はいるのですが、そんなに目立つことなく二人に焦点を合わせて進んでいきます。


舞台は冬のロサンゼルス。渋滞の高速道路上。突然車の中の女性が歌いだし高速道路に出てきます。他の運転手も出てきて皆で歌とダンスが始まります。高速道路はブラジルのサンバ状態。
さーミュージカル映画の始まりかという様なスタートです。ですがこの映画始まりこそ盛大に始まりますが、映画を通じて歌の量はそんなに多くありません。
しかも主人公がジャズピアニストだからか楽曲はおとなしめ。声量を見せつけるようなシーンもありませんし、もう一回聞きたくなるような分かりやすく口ずさめるような楽曲も無いので音楽で盛り上がることはあまりありません。


2人の出会いはその高速道路上。後ろから煽るセブ、中指を立てるミア。それが2人の初めての出会いです。
ミアは女優を目指しオーディションを受ける毎日。がオーディションには一切受からず喫茶店でのバイトの日々。
ミアの車はプリウス。売れない女優志望でプリウスか。まあそこまで高級車じゃないけど、アメリカでは一応、外車だろ。普通なんだろうか。まあ車社会のアメリカで頑張るトヨタという事で納得します。


セブはジャズピアニストで将来は古き良きジャズが流れる自分の店を持つのが夢です。でも現実は売れないジャズピアニスト。ジャズ自体も需要が無くバイト先の店ではジングルベルとかみんなの知っている曲を演奏しています。それとて誰も聞いてないんだからジャズを弾かしてくれと直談判するもかなわず、次第に不満が溜まり勝手にジャズを弾きだします。
そのジャズを聴いて感動するミア。セブに声を掛けようとしますがジャズを弾いたことでクビになったセブはミアにぶつかりそのまま店を出ます。


季節は変わり春。あるパーティーで再び出会う二人という具合に季節を追うごとに親密になっていく二人。そして二人の夢は。というのが物語ですね。
ラブストーリーなのかサクセスストーリーなのか分からない感じで進んでいきます。そしてそんなペースで最後まで進んでいきます。だから私的にはラ・ラ・ランドは少し盛り上がりに欠けたように感じました。


ミア演じるエマストーン。この役で主演女優賞を得ます。彼女の持っているもの自己愛であったり自意識であったりが存在感として出ていて、ラブストーリーならば揉めること必至。そんな展開が予見出来る。
だからなのか映画を見ていてもあまり入ってこない。二人の関係は進んでいくけど、浮かれているように見えるだけ。
セブも同じタイプで中盤のケンカは見ていて入ってこなかった。セブは「優越感の為に不遇の俺を愛した。」とミアに言います。
自分の意見をぶつけるだけの2人。予想通りの内容のケンカ。後味が悪いです。


じゃあサクセス的にはどうかというとこれも中途半端。ミアの小劇場での独り芝居の評価は「ひどい」であったり「大根」であったり良い評価を聞くこともできなかったし空席だらけだしと散々。なのに何も変わらない状態から配役事務所のオーディションへの抜擢であったりと展開の急さは違和感を感じる。
しかもそのオーディションでの審査はまだ脚本も出来ていないから何でもいいから語ってという審査。
状況をひっくり返せるシーンなのに語りと歌は見ている自分には入ってこなかったです。かといって状況をひっくり返すような語りと歌が始まってもここまで積み重ねてきた展開を見ると違和感に感じるだろうし。


セブの夢はジャズが流れる店を持つこと。うーんジャズピアニストじゃないのか。
アーティストか経営者か。どういう事なんだろうか。ジャズピアニストで成功した人はその先に店を持つというのがアメリカでの流れなのか。ジャズピアニストとしての限界を感じたのか。ちょっとわからなかったです。
セブは昔の仲間とバンドを組むことに。
それは自分が目指していた音楽ではない。そこに葛藤があるのですが、そのギャラは週給1000ドルとチケットと商品の歩合。悪くない。
ジャズピアニストを目指すならしないほうが良いかもしれないけど、ジャズの店を持つのが夢なら別に悪い仕事じゃないような。ギャラもあってコネクションもできる。良いような気がするけど。
イマイチ葛藤が伝わってきません。


そして時は移り5年後。女優として成功しているミアと言われても入り込めない。
セブもあんなに仕事を選んでたのに念願の店を手に入れてる。
そして二人は別れています。ミアは旦那と偶然訪れた店がセブの店であることに気付きます。
もしもあの時別れなければ。ミアの妄想がセブのピアノと共に始まります。
このシーンからを絶賛している人が多かったですけど私はあまり響きませんでした。
ミアは主婦、セブは場末で酒を飲みながらピアノを弾いている。前半がそんな感じの前振りにしか感じなかったのと成功した後のもしもあの時別れていなければは引っ掛かりとしては弱いように感じました。失ったものと得たもののコントラストが弱いというか。


前半の愛も夢も切実さを感じなかった。だからラストにもあまり繋がらなく私には響きませんでした。
映画では主に2人にスポットを当ててるし、時間も2時間を超えているのに中途半端に終わったように感じました。
音楽部分もジャズベースというか渋くてサントラが売れまくるような感じでは無かった。ただ映像はとても綺麗でした。絵画のような美しさを感じたのでそれは見れるかな。
別に投票権は無いけれど、ムーンライトとどちらか入れなければいけないなら迷わずムーンライトです。
平均評価4.04点ですが、高すぎるので-0.2点で3.84点とします。

 

                                                                                 評価  3.84点