ディーパンの闘い/Dheepan
作品紹介
ディーパンの闘い/Dheepan
2015年 フランス
時間:115分
ジャンル:クライム、ドラマ IMDbより
監督:ジャック・オーディアール
ディーパン:アントニーターサン・ジェスターサン
ヤリニ:カレアスワリ・スリニバサン
イラヤル:カラウタヤニ・ヴィナシタンビ
あらすじ
ディーパン(アントニーターサン・ジェスターサン)は“タミル・イーラム解放の虎”の兵士としてスリランカ内戦で戦うが、妻子を失い失意の底にいた。一方、女性(カレアスワリ・スリニバサン)は、移住許可を取りやすくすべく難民キャンプで孤児の少女(カラウタヤニ・ヴィナシタンビ)を探し当てる。海外渡航のあっせん事務所を訪れた彼女たちは、ディーパンと共に偽装家族として出国する。
日本と世界の評価
評価
Yahoo!映画:3.50 評価307件 2019/5/20
IMDb:7.2(評価5換算:3.58) 評価12258件 2019/5/20
Rotten Tomatoes 2019/5/20
TOMATOMETER:87% 評価121件
AUDIENCE SCORE:83% Average Rating:3.9 評価4267件
Metascore:76
Yahoo!映画とIMDbとRotten Tomatoes:AUDIENCE SCORE
単純平均評価:3.66
評価まとめ
良い評価:リアル、迫力があった、考えさせられる、社会問題
悪い評価:伝わってこない、感情移入できない、意味不明
全体的に評価高いです。カンヌでパルムドールをとりました。IMDbのTop 1000 Votersは評価が0.9も下がっています。評論家と映画好きの評価は違うという事でしょうか。
感想
全体評価は高いですしパルムドールも受賞しています。
あらすじにある通り主人公は3人のスリランカ人の偽装家族。つかみは興味をそそられます。
この3人が内戦で荒廃したスリランカがフランスに逃れていく話ですね。最近EUで問題になっている移民問題も含んでいます。
距離的に遠いスリランカからも渡っているんですね。それを考えると日本に移民なんてほとんどいないしニュースにもならない。
そんな内戦や移民問題がこの映画を通じて分かるかというと全然そんなことはない。
物語は終始ドキュメンタリーの様に距離感をとって撮っているのにリアリティが伝わってこない。
この3人が引っ越してきたのはスラム街と呼んでもいいようなドラッグが昼間から取引されているような団地。
移民が職を奪っているというけどこの3人は管理人としてこの団地に住み妻はある部屋の掃除と食事を作るだけで400だったか500だったかのユーロを手に入れる。娘はこんなスラム街の様な所に住んでいるのに学校には通う。
職の奪い合いや移民問題や貧困などは伝わってきません。
しかも登場人物の心情や行動にあまりフォーカスしないので異国での心細さや今日を生き抜く大変さも伝わってきません。
ドキュメンタリー調だから「リアルだろ」と表現を逃げたような印象すら感じます。
そして最後にはなぜか銃撃戦が始まるのですがあまり頭に入ってきません。
異国で生活する大変さなのか、赤の他人が家族になっていく物語なのか、フランスの移民問題なのか、何に集中したいのか伝わってきませんでした。
物語を突き放すことでリアリティや不条理、シュールさが簡単に手に入ると勘違いしているような作品の様に感じました。
パルムドールがどんな賞か詳しくは知りませんがこういう撮り方が好まれる賞なのでしょうか。
評価は高めで3.66点なので-0.5点で3.16点とします。
評価 3.16点